日本穀物検定協会

米の情報提供システム

食味・銘柄表示・安全性についての用語解説

おいしさ(食味)指標について

米のおいしさ(食味)は、人間の視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚という五感に訴えるもので、白いご飯の場合には、色が白く、つやがあり、粒の形が良い(視覚)、噛むとき音がほとんどしない(聴覚)、風味がある(嗅覚)、いくら噛んでも味が変わらず、多少油っこい感じと、なんとなく甘い感じがするが無味に近い(味覚)、温かく、ご飯粒が滑らかで柔軟、粘りと弾力がある(触覚)ものが好まれています。
米の食味には品種の影響が強くありますが、産地、気象、栽培方法も影響を与えるほか、収穫後の乾燥・調製、貯蔵、精米、炊飯などによっても影響されます。

 

「米の情報提供システム」では、穀検がこれまで行ってきた食味官能検査の項目と相関のある理化学項目の分析結果(一部官能検査結果)をおいしさ(食味)指標として情報提供しています。

「鮮度」

お米の品質は、お米の中に含まれる酵素や呼吸作用、酸化作用などにより変化(劣化)しますが、貯蔵・保管の状態によっては、急速に品質低下し、食味にも大きく影響を与えます。貯蔵・保管中に起きる品質低下は、いわゆる古米臭の発生と、硬くパサパサした感じとなる物性の変化として現れます。

 

鮮度の判別法はいくつか開発・利用されていますが、その一つに米の品質劣化(古米化)がすすむと、水抽出酸度が経時的に増加(pHの低下)することを利用して判定する酸性度指示薬による方法があります。

 

「米の情報提供システム」では、この原理に基づき、穀検が開発した鮮度判定試薬を使用して精米1粒毎の判定を行っております。この反応では新鮮な米は青緑色、鮮度が落ちるに従い緑色、黄色と色調が変わっていきますが、この色を分光学的測定装置であるマイクロプレートリーダーにより計測し、計測値をコンピューターで解析して、鮮度をA〜Eの5段階に区分しています(特許出願中)。
情報提供は、「A」(たいへん良い)、「B」(良い)、「C」(普通)、「D」(少し劣る)、「E」(劣る)の5段階に区分されたそれぞれの粒数の供試粒数に対する割合で表示しています。

 

なお、一般的に精米されてから一定期間(夏と冬では気温の差により期間の長さが異なる)を経過すると食味が落ちるといわれていますが、一定期間経過後に急激に落ちるというものではなく、徐々に落ちていくものと考えられています。精米は、できるだけ早く消費するのが原則です。一般家庭において、購入時の食味をなるべく長く保つためには、涼しいところに保存しておくことが好ましく、高温、多湿、直射日光を避けるのがポイントです。

 

「つや・てり」
炊飯米の「つや・てり」は、食味との相関があると言われています。新米を炊飯すると、輝いた、いわゆる「つや・てり」があり、「つや・てり」のある粒立ちの良い米はおいしいと言われます。

 

この炊飯米の「つや・てり」の測定については、理化学的な方法が確立されていないため、「米の情報提供システム」では、穀検の選抜された複数の食味パネルが炊飯した試料米と別に定める標準品とを目視で比較して判定しています。

判定の結果は「良い」、「やや良い」、「普通」、「劣る」の4区分とし表示しています。

 

「たんぱく質」(主に硬さの指標)

米の食味をその成分からみると、たんぱく質及びでん粉の含有量とその組成が関係するとされています。米のたんぱく質を構成するアミノ酸組成は、植物性たんぱく質のなかでは他の穀物と比較して栄養価も高く優れているといわれています。
たんぱく質の含有量の多い米は、栄養的には好ましいと考えられますが、食味の観点からはあまり良い影響を及ぼしません。たんぱく質の含有量の多い米は炊飯時の吸水を阻害し、硬くて、粘りの少ないものとなり、食味は低下するといわれています。

 

食味を向上させるためには、たんぱく質の含有率を低く抑えることが大切と考えられ、最近は各産地でそうした栽培に取り組んでいる例が多く見られますが、品種をはじめ、土壌・施肥といった栽培条件や登熟期間の温度などさまざまな要因により変動します。

 

「米の情報提供システム」では、精米のたんぱく質含有量(乾物換算、%)を近赤外分析計により測定し、表示しています。
なお、国内産うるち精米のたんぱく質の含有量は、最近では一般的に5〜9%程度となっています。

 

「ヨード呈色度」(主に粘りの指標)
うるち米のでん粉は、アミロースとアミロペクチンの2種類からできています。お米の粘りと硬さは、この2種類のでん粉の構成割合に左右されます。もち米のでん粉はアミロペクチン100%で構成されており、アミロペクチンが多い(アミロースの少ない)お米は、粘りがあり、一方、アミロースが多いお米は硬く、パサパサしていると言われています。アミロースの含有率は、品種による影響が最も大きく、一般的には17〜23%程度の範囲に分布しています。
また、登熟期間の温度によっても影響をうけ、期間中の積算温度が低いほどアミロース含有率は高まると言われています。

 

アミロースはヨードとよく結合して青色を呈することが知られています。
うるち米の炊飯液にはアミロースの一部が溶出するため、このヨード呈色度は全体のアミロース含量と高い相関があります。

 

「米の情報提供システム」では、穀検独自のオートクレーブでの炊飯液を用い、このヨード呈色度を分光光度計で測定しています。測定数値が低いほどアミロース含量が少なく、ご飯は粘りが強く、軟らかいものであると言えます。
なお、一般的に、測定値は0.16〜0.80程度の範囲になっています。