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食味・銘柄表示・安全性
についての用語解説

DNA鑑定について

現在店頭等で販売される玄米及び精米は、JAS法の品質表示基準に基づいた表示がされており、産地、品種及び産年の表示については、農産物検査法の証明で行われています。しかしながら、米の流通が自由化され、農産物検査も民営化されてきていることから、従来にも増して米の表示に対する信頼性が求められています。このため、国においても市販されている袋詰精米の表示に関してDNA鑑定の手法を活用し、内容の確認を行っています。また、産地の集荷段階における確認や精米製造過程における商品管理(コンタミネーション防止)などにおいても有効に活用されてきています。

米のDNAは約3億8千万対からなるとされており、コシヒカリ、ひとめぼれなど品種が異なればDNA塩基配列が異なってきます。米の品種間に存在する塩基配列の差異はDNA多型とよばれ、DNA鑑定はこの多型を検出し比較することにほかなりません。
穀検では、この分野での最先端技術であるSNPs法(一粒法・粉砕法)を用いています。
なお、「粉砕法」とは試料が想定する品種であるかどうかを調べるため試料を一括粉砕して分析を行うこと(「定性分析」)であり、「一粒法」とは1粒づつ分析した結果により、ある品種がどれだけ含まれているかを調べる分析のこと(「定量分析」)です。

SNPs法は、(独)農業・食品産業技術総合研究機構と(株)植物ゲノムセンターが開発した米に存在する4種類の塩基の性質と塩基配列の1塩基の違いに着目した判別方法で、穀検は両者とのライセンス契約により実施しています。
4種類の塩基はアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)と呼ばれ約4億3千万が対をなして並んでいますが、この並び方がわずかに異なっている場所があり、その場所をスニップス〔1塩基多型:SNPs(Single Nucleotide Polymorphisms)〕といいます。
SNPsはDNA塩基配列上1000個に1個程度の割合で存在するといわれており、塩基はそれぞれに決まった相手(AはT、GはC)とペアをつくる性質をもっているので、このSNPsを比べることで品種判別をします。
SNPs一粒法は専用プライマーを用い、1塩基伸張部分の反応を蛍光分析装置により確認し判別します。また、SNPs粉砕法は同様に専用プライマーを用い、リアルタイムPCRを使用して定性分析を行なう方法で、他に比べ迅速な分析と多検体処理が可能です。

「米の情報提供システム」では、主としてSNPs粉砕法により定性分析を行います。
結果については、SNPs法の場合は「○○○○と同じ(異なる)分析結果」、と表示しています。


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